養子縁組は、真に養親子関係を発生させようとする意思のもとになされなければ無効となります。このような意思のことを縁組意思といいます。そこで、縁組意思に基づかずに何らかの便宜上縁組をなしたときや、届が偽造されて提出されたような場合には、その縁組は無効となります。前者の事例において、縁組意思がなかったことを立証することは一般的には困難ですが、それでも名古屋高裁平成22年4月15日判決ではこのようなケースにおいて各種の客観的事情から縁組意思がなかったと認定され、死亡した養子の兄による縁組無効の訴えが認められました。

もっとも、この縁組意思の内容が問題となりますが、相続させることが主目的で縁組がなされた場合でも有効であると解釈されています。というのも、縁組をした者同士が相続を含めてお互いに助け合うというのが養子制度の趣旨だからです。ただし、他の相続人の遺留分を侵害する目的や、相続税を免れる目的での縁組はこのような制度趣旨に合致しないので、無効となる可能性が高くなります。

さて、このような縁組の無効を主張したいときには、いきなり訴訟を提起することはできません。調停前置主義といって、事前に無効の調停を家庭裁判所に申し立てる必要があります。そして、その調停がまとまらなかったなどの場合に初めて無効確認の訴えを提起できることとなります。